滋賀県東近江市

食品製造

ソーシャルインパクトボンド

新規就農でぶどうの世界に飛び込んだ男がワインの自家醸造に挑戦

東近江市SIB ぶどうを育てワインを醸造・魅力ある地域経営に乾杯プロジェクト

滋賀県東近江市

食品製造

募集期間

2019年07月05日〜 2019年07月26日

営業者

合同会社社会的投資支援機構

資金使途

運営者への業務委託費

会計期間

2019年08月01日〜 2020年01月31日

目標償還率

102.00%

投資家特典

なし

償還済

現在の調達金額

500,000円

募集総額

500,000円

1口金額

20,000円

出資者数

20人

100%

募集期間

2019年07月05日〜 2019年07月26日

営業者

合同会社社会的投資支援機構

資金使途

運営者への業務委託費

会計期間

2019年08月01日〜 2020年01月31日

目標償還率

102.00%

投資家特典

なし

プロジェクト要約

愛東の畑でマスカットベリーAを中心としたワイン用のぶどうの栽培や醸造技術の習得を行い、東近江市産ぶどう100%のワインを自家醸造・販売できる体制を構築します。 今後若手農業者が魅力を感じるぶどう栽培経営を確立させ、農村地域の存続に貢献します。

プロジェクト要約

愛東の畑でマスカットベリーAを中心としたワイン用のぶどうの栽培や醸造技術の習得を行い、東近江市産ぶどう100%のワインを自家醸造・販売できる体制を構築します。 今後若手農業者が魅力を感じるぶどう栽培経営を確立させ、農村地域の存続に貢献します。

プロジェクトサマリー

プロジェクト概要

「Laque(ラクエ)」は、東近江市愛東地区でぶどうやいちごの栽培を行っています。

本プロジェクトでは、LaqueがマスカットベリーAを中心としたワイン用のぶどうの栽培や醸造技術の習得を行い、東近江市産ぶどう100%のワインを自家醸造・販売できる体制を構築していきます。

 

Laqueのワイン造り実現まで~夢への挑戦~


本プロジェクトの担当者の漆﨑 厚史(うるしざき あつし)さんは、 東近江市八日市町で生まれ育ち、高校時代までを東近江市で過ごしました。
就職を機に東近江市を出ることになり、大阪市内で輸入車や市バスの整備士として働いていました。

元来好きだったものづくりへの思いが強まり、2012年の春、資源循環型社会づくりを目指す団体「NPO法人愛のまちエコ倶楽部」の紹介を受けてぶどう栽培体験を始めました。

休日を利用してぶどうを育てる中で「これだ」と確信したと漆﨑さんは言います。
ぶどう造り、ワイン造りへの思いが抑えきれず、2013年4月に整備士を辞めて妻と3人の子供たちと一緒に東近江市にUターンしました。

 


廃園を検討していたぶどう農園を継承し2,400㎡の農地からぶどう造りをスタートしました。

全くの素人で農業に関わったことからぶどう造りが上手くいかず、一時は農業自体から手を引こうと考えた時もありました。
しかし、地域の人に支えられながらぶどう造りを継続し、試行錯誤を繰り返しながら、農園を拡大していきます。

現在は、ぶどう畑は6,000㎡に広がり、940㎡の施設でいちごの栽培を行っています。

 


ワイン造りは、ぶどう造りを始めた頃からの漆﨑さんの夢でした。
まずは、委託醸造から始めようと、2016年にマスカットベリーAを東近江市山上町にあるヒトミワイナリーに持ち込みました。

 


ヒトミワイナリーに委託醸造をして、2019年1月にワインを完成させました。



左 Shindo Funi Tsubo Blane 2017白(シンドフニ ツボ ブラン)
右 Laque PLEMIUM QUALITY MBA 2016赤(ラクエ プレミアム クオリティー マスカットベリーA)

 

漆﨑さんの自宅に併設した直売所、通販で販売を行っています。

 

Shindo Funi Tsubo Blane 2017白

750ml  アルコール度数11% ミディアムボディ辛口 
日本ワイン(国産葡萄100%使用保証名称・国税庁告示第十八号 )
製造本数452本(発売日2019年4月20日発売)

 

ヒトミワイナリーのソーヴィニョンブランとLaqueのデラウェアを除梗破砕※1し、信楽焼の壺に入れ、低温の状態でゆっくり醗酵していきました。プチプチとしたガス感があり、桃の香りから、シトラス、すこしグリーンな印象もあります。開けたては少し香りが閉じ気味でフラットな印象ですが、2日目、3日目と味わい深さが広がっていきます。

 

Laque PLEMIUM QUALITY MBA 2016赤

750ml  アルコール度数11% ミディアムボディ辛口 
日本ワイン(国産葡萄100%使用保証名称・国税庁告示第十八号 )
製造本数555本(発売日2019年1月19日発売)「内120本 Laqueオリジナルラベル」

 

よく熟したマスカットベリーAを除梗破砕し自然発酵させ、搾汁後フレンチオーク樽で約10ヶ月間熟成しました。
このワインのイメージは「安らぎ水」、体に染み込んでいくような味わいが楽しめます。

※ 1 ぶどうを収穫した後に、発酵前に房の実をつないでいる部分(果梗)を取り除き、実を潰すこと。

ヒトミワイナリーで委託醸造して開発したワインについては売れ行きもよく、現在全て品切れ状態となっています。
また、実際に購入された方からは
・飲みやすくて美味しい。
・久しぶりにワインを飲んだが美味しくて次の日にまた買いに行った。
といったと声をいただくほど好評を得ています。


本プロジェクトでは、Laqueが委託醸造ではなく、自家醸造にてワインを造る体制を整えます。
東近江市産にこだわったLaqueのワインを全国に届けたいと考えています。

 

Laqueが造るワインの特徴

・ぶどう造りに最適な環境で糖度の高いぶどうを実現

Laqueのぶどう農園がある東近江市愛東地区は、琵琶湖から最も遠い場所にあります。

 


鈴鹿山脈のふもとで、降雨量、日照時間、土のバランスがとても良く滋賀県内では数少ない果樹の産地になっています。
昼夜の寒暖差に恵まれているこの土地の果物は糖度が高いのが特徴です。
愛東地区は、ぶどう造りに最適な環境です。

・自家生産した「マスカットベリーA」を中心に使用、国産ぶどう100%ワイン
マスカットベリーAは、新潟県の岩の原葡萄園の創始者で「日本のワインの父」とも呼ばれる川上 善兵衛(かわかみ ぜんべえ)氏によって造られた日本固有種です。



マスカットベリーAは、東近江市の特産品として地域の方々に愛されていますが、全国的にみると認知度は高くありません。

マスカットベリーAで造られたワインは、渋味が少なく酸味が控えめになるのが特徴です。
Laqueでは、マスカットベリーAを中心としたぶどうを使い、東近江市産ぶどう100%でワインを造ります。
東近江市産ぶどうの魅力を発信していきます。

 

・委託醸造から自家醸造へ、変わらないこだわりと醸造方法に工夫

委託醸造していたワインと自家醸造するワインでは、ぶどうの品種、醸造方法が変わります。

ぶどうの品種には、多様なぶどうの使用を検討しています。
Laqueが自家醸造する赤ワインはマスカットベリーAを中心に、白ワインはデラウェアを中心に使います。
その他、シャルドネやヤマソービニオン、アルモノワール、ビジュノワールなどを使うことを検討しています。

ワインの醸造容器には、樽や壺、タンクなどがあります。
Laqueでは樽だけでなく、壺を使用した醸造を検討しています。

ワインを木樽で熟成すると、木樽のタンニンが溶出してワインに深みを与えます。樽の香りもワインに個性を与え、より複雑な香りを楽しむことができます。

一方、ワインを壺で熟成する方法は「クヴェヴリ製法」といい、ワイン発祥の地ジョージアの伝統的な発酵方法です。
「クヴェヴリ製法」は、ブドウをクヴェヴリと言われる土壺の中で発酵、さらにその壺を地中に埋め、再度発酵させることでワインをより味わい深くすると言われています。
ジョージアワインはその独特の発酵方法がよく注目を浴び、ジョージアでは現在もおこなわれている、ワインづくりの起源となった伝統製法です。

自家醸造に比べ、委託醸造の方がコストもかからず手間も大幅に省くことができますが、自分たちの想いを100%表現できるのが自家醸造だと漆﨑さんは語ります。

 

・こだわりの栽培方法(減農薬、土壌づくり)

Laqueは、恵まれた環境で除草剤を使わず減農薬に取り組んでいます。
滋賀県は、化学合成農薬・化学肥料の使用量を慣行の5割以下に削減し、環境への負荷を削除する技術で生産された農産物を「環境こだわり農産物」として認証しています。

Laqueは、この「環境こだわり農産物認証」を取得しています。



Laqueでは、極力自然に近い状態で作物を栽培する「草生栽培」を行っています。
雑草を伸ばし、時々草刈り機で刈る栽培方法を草生栽培といいます。
草生栽培の最大の利点は、草が土を作るという点です。
雑草の根が縦横無尽に地中を耕し、やがて枯れて腐植となります。土には空気も入り、水の通りもよく水持ちもよくなります。根圏微生物も非常に多く生息し、その微生物に依拠するバクテリアたちの数も莫大なものです。
草生栽培によって土壌の団粒構造が整い、作物の生育に適した土壌が形成されます。

 

本事業で実現したいこと

・東近江市産ぶどう、自家栽培ぶどうを使ったワインの開発を行います。
・東近江市の土地に適したぶどう品種の調査を行います。
・種苗や資材を購入し、ワイン用ぶどうの栽培量を増やします。
・8,000本を売る販路計画と経営戦略の作成を行います。
・週一回以上ブログやSNS等で情報発信を行い、Laqueの事業を伝えていきます。
・自家醸造の技術を習得し、事業終了時の成果報告会にてワインを提供します。
・Laque が造るワインは食事とも合わせやすく、ワインと合う食事の相性を検討します。
→その1つ目としてワインとふな寿司のペアリングを行います。

 

今後の展開として、展望

① 東近江市の新たな特産品として東近江市産のぶどうの魅力を発信
特産品として地域の人々に愛されるマスカットベリーAは、全国的にみると認知度は高くありません。マスカットベリーAをワインにして、全国的に魅力を発信していきます。

② 若手農業者が魅力を感じるぶどう栽培経営の確立、農村地域の存続に貢献
近年、全国的に後継者不足が謳われています。愛東ぶどう産地においてもその傾向が見られ、栽培面積が減少傾向にあります。
後継者不足の1つの原因として、「現在の経営・販路・単価では労働力に見合う所得確保が難しい」ことがあげられています。
地域の特産品を守りながら、今後、若手農業者が魅力を感じるぶどう経営を確立・発展させていきたいと考えています。

③ イタリア発祥の最高級ワイン「アマローネ」造りに学ぶ、Laqueの新たな挑戦
イタリア発祥の最高級ワイン「アマローネ」は、乾燥させたぶどうを使用したワインです。
Laqueでは自身で栽培した農産物、その他地元の農家が作っている様々な農産物でドライフルーツ、乾燥野菜を製造しています。
この技術を使い、「アマローネ」の醸造方法を参考にしたワイン造りに挑戦します。
世界水準のワインをLaqueから誕生させます。

 

運営者メッセージ


Laque 代表 漆﨑厚史さん

東近江市では、ぶどう農家の高齢化と後継者不足の影響で年々ぶどう畑が減っています。今後この状態が続くと産地自体が衰退する恐れがあります。何とか今あるぶどう畑を守り、欲を言えば増やしていきたいという想いから、新規参入者の受け入れ体制を整えるため行政、NPOを巻き込みながらプロジェクトチームの立ち上げなどを行ってきました。
「次の世代にも美しいぶどう畑を眺めて貰いたい」そんな思いを持ちながら、活動を進めてきました。

右も左も分からなかったぶどう造りを一から学び、地域の方の協力を得て、試行錯誤を繰り返し、就農から6年が経ちました。自園でできたぶどうからワインができた時は、大変嬉しく、夢の実現への第一歩を踏み出したことを感じました。
Laqueは、ぶどうの可能性を追求し、ぶどうの持つポテンシャルを最大限引き出していきたいと考えています。その1つに、今回のワイン造りがあると考えています。

今回のSIB事業でぶどう農家の未来、Laqueの未来を一緒に考えることができたら嬉しいです。
夢の実現のために、ご支援・ご協力の程よろしくお願い致します。

 

SIBの成果目標

会計期間内に下記3つの成果目標達成を目指します。
①8,000本のワインの販路計画の作成
②ワイン日記をSNSに週一回以上発信する。
③醸造技術を習得し、成果報告会に実物を持参する。

 

営業者紹介

会社名 合同会社社会的投資支援機構
代表社員 株式会社未来資本製作所
設立日 平成30年9月12日
役職員にはSIB事業に携わった者が在籍しており、本匿名組合契約およびSIBに関する仕組みについて熟知した人材が揃っています。
※本プロジェクトアセットは営業者である合同会社社会的投資支援機構が運営者に委託して事業を実施します。
※当サイトでは、「集団投資スキーム(ファンド)」を、投資の社会性をより強調するため「プロジェクトアセット」と呼んでいます。

 

運営者紹介

団体名 Laque
設立日 平成31年4月
代表 漆﨑 厚史
従業員数 2名(非常勤含む)

平成25年 滋賀県環境こだわり栽培認証 
平成26年 滋賀県果樹品評会 奨励賞 出品財 藤稔
平成27年 認定新規就農者
平成29年 農林水産省奨励賞受賞
平成30年 委託醸造によりファーストヴィンテージ発売
平成31年 滋賀県果樹品評会 奨励賞 出品財 マスカットベリーA
平成31年 認定農業者
平成31年 ワインの自家醸造、製造、販売に向けて東近江市SIB事業に参加

 

プロジェクトアセット対象事業内容

東近江市産ぶどうを使用したワイン開発事業

募集情報

本匿名組合契約名称 東近江市SIB ぶどうを育てワインを醸造・魅力ある地域経営に乾杯プロジェクト
営業者 合同会社社会的投資支援機構
取扱者 プラスソーシャルインベストメント株式会社
出資金募集最大総額 500,000円
出資金募集最低金額 -
出資金申込単位 20,000円 (出資金:20,000円、取扱手数料:なし)
申込上限口数 3口(個人)3口(法人)
募集最大総口数 25口
取扱者の報酬 組成報酬、運営報酬、監査報酬
会計期間 2019年08月01日~2020年01月31日
リクープ売上金額(税抜)
営業者の報酬 本匿名組合事業利益-匿名組合員の利益-取扱者の報酬
売上金額-事業費用
匿名組合員への分配金額-匿名組合出資金
決算日 2020年1月31日
報告日 決算日から60日以内
分配日 決算日から90日以内の営業者が指定する日 2020年3月の事業報告会(成果の評価)終了後

事業計画

今後の事業計画

今後の事業計画は、以下のとおりです。ただし、営業者及び取扱者は、本匿名組合事業の売上金額として、本事業計画上の売上金額を保証するものではなく、匿名組合員に対して分配金額を保証するものでもありません。

(1) 事業計画について

本匿名組合事業は、東近江市産のぶどうを使ったワインの開発を目指します。

(2) SIBの成果目標と支払い条件に基づく分配について

①8,000本のワインの販路計画の作成
②ワイン日記をSNSに週一回以上発信する。
③醸造技術を習得し、成果報告会に実物を持参する。

(3) 事業計画上の実現施策(運営の方針)について

営業者は、2018年に設立されたばかりの会社ですが、営業者の役職員には、SIB事業に携わった者が在籍しており、本匿名組合契約およびSIBに関する仕組みについて熟知した人材が揃っています。
また、営業者は、本匿名組合事業を事業者に業務委託することにあたり、受託事業者が「東近江市版SIB事業」に関する所定の手続きを経て、適正に採択された事業者であることを確認しています。

分配シミュレーション

(2) 分配シミュレーションについて

①成果目標が達成された場合

公益財団法人東近江三方よし基金より営業者に対して、業務委託料が支払われます。これを原資として、償還率102%(税引き前)の分配金が支払われます。

②成果目標が達成されなかった場合

公益財団法人東近江三方よし基金より営業者に対して、業務委託料は全く(0%)支払われません。このため、営業者から匿名組合員に対して、分配金だけでなく、出資金についても一切支払われることはありません。

仕組み図


資金使途

ファンド資金は、以下の内容にて使用いたします。

項目 金額
運営者への業務委託費 500,000円
合計 500,000円

(注1)上記の合計費用、内訳項目、金額はあくまでも見込みであり、変更の可能性があります。最終的な費用が上記を上回った場合には営業者が負担し、下回った場合には分配時に返還させて頂きます。なお、返還金額に利息は付きません。また、上記以外に必要となる費用につきましては、営業者が負担いたします。

(注2)出資金の資金使途については、取扱者による監査が行われます。

(注3)状況により、上記資金使途内容について営業者が先に立て替えて支払い、その後、出資金を充当することがあります。

(注4)本匿名組合事業遂行のため、会計期間開始前であっても、営業者が必要に応じて出資金を資金使途内容に従って使用することがあります。

 

運営者 収支計画

収入の部

項目 金額
SIB事業支援金 500,000円
自己資金 150,000円
合計 650,000円

支出の部

項目 金額
受講費 100,000円
種苗費 100,000円
資材費 150,000円
地代 30,000円
整地費(機械レンタル) 20,000円
ペアリング講師謝金 50,000円
ペアリング会場費 50,000円
ペアリングサンプル代金 50,000円
人件費 100,000円
合計 650,000円

 

リスク

匿名組合契約「東近江市SIB ぶどうを育てワインを醸造・魅力ある地域経営に乾杯プロジェクト」の締結については、以下のような留意点及びリスクがあります。

1. 本匿名組合契約の性格に関する留意点

本匿名組合契約に係るすべての業務は、営業者が自ら行い又は営業者が事業者等の関係機関に委託することになっており、これらにつき匿名組合員が行うこと、又は指図をすることはできません。したがって、本匿名組合事業の状況によっては、事業継続や売上の確保のため、契約期間中において、営業者又は事業者等の関係機関の判断の下に価格等の変更等を行う可能性があります。

2. 本匿名組合契約の流動性に関する留意点

契約期間中、本匿名組合契約は解約できません。本匿名組合契約の譲渡は、同契約により制限されます。本匿名組合契約を取引する市場及び匿名組合員である立場を取引する市場は現時点では存在しません。

3. 出資金の元本が割れるリスク

一般的に、本匿名組合契約に基づく利益の分配又は出資金の返還は、専ら営業者の本匿名組合事業による収入をその原資とし、かつ、会計期間中における営業者の売上金額を基に算定される分配金額の支払いのみをもって行われます。したがって、会計期間中の本匿名組合事業における売上によっては、利益の分配が行われない可能性があり、また、分配金額の支払いが行われたとしても、全会計期間をとおして匿名組合員に支払われる分配金額の合計額が当初の出資金を下回るリスクがあります。
また、本匿名組合契約は、「東近江市版SIB事業」を組み込んだ仕組みとなっています。SIBとは、Social Impact Bond(ソーシャルインパクトボンド)の頭文字を取ったもので、社会的課題の解決と行政コストの削減を同時に目指す手法であり、民間資金(匿名組合員が払い込んだ資金)で営業者が優れた社会事業を実施し、事前に合意した成果が達成された場合に、成功報酬が分配金として行政より匿名組合員へ支払われます。
また、SIBの特徴としては、①対象事業は社会的課題の解決であること、②投資モデルは社会的成果連動型であること、③事業形式は行政と民間の連携であること、の3つが挙げられています。

4. 営業者および営業者が業務を委託する事業者の信用リスク

営業者および営業者が業務を委託する事業者の今後の事業の状況如何によっては、営業者が支払不能に陥り、又は営業者に対して破産、会社更生、民事再生などの各種法的倒産手続きの申立てがなされる可能性等があり、これらに該当することとなった場合には、本匿名組合事業における売上金額により分配金額が発生していたとしても、本匿名組合契約に基づく分配金額の支払い、又は出資金の返還が行われないリスクがあります。匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権(出資金返還請求権及び利益分配請求権をいいます。以下同じです。)には、何ら担保権が付されていません。また、営業者が破産等の法的倒産手続きに移行した場合には、匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権は、他の優先する債権に劣後して取り扱われます。そのため、法的倒産手続きの中で、他の優先する債権については支払いがなされ、回収が図られた場合であっても、匿名組合員が有する支払請求権については一切支払いがなされないリスクもあります。さらには出資金の返還が行われないリスクがあります。匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権(出資金返還請求権及び利益分配請求権。以下同じ。)には、何ら担保権が付されていません。また、本匿名組合事業における売上金額により分配金額が発生したとしても、本匿名組合事業において多額の費用や損失が発生した場合においては、分配金額の支払いが行なわれないリスクがあります。さらに、営業者が破産等の法的倒産手続きに移行した場合には、匿名組合員が営業者に対して有する支払請求権は、他の優先する債権に劣後して取り扱われます。そのため、法的倒産手続きの中で、他の優先する債権については支払いがなされ、回収が図られた場合であっても、匿名組合員が有する支払請求権については一切支払いがなされないリスクもあります。

5. 事業形態及び事業環境の変化に伴うリスク

本匿名組合事業は、「東近江市版SIB事業」を組み込んだ形態となっており、営業者および営業者が業務を委託する事業者にとって複雑な仕組みが含まれる事業です。したがって、本匿名組合事業については、事業開始後も匿名組合員に対して十分な説明が必要となるケースが発生する、あるいは運営体制の構築または事業の遂行について見直しをせざるを得ないこと等により、安定的な運営を図るまでに予想外の時間を要する可能性があります。

6. 経営陣の不測の事態に係るリスク

営業者および営業者が業務を委託する事業者については、経営陣に不測の事態(病気・事故・犯罪に巻き込まれる等)が生じることにより、本匿名組合事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。本匿名組合契約では、当該リスクに対して各種保険等によるリスク・ヘッジを行いません。

7. 資金繰りが悪化するリスク

本匿名組合事業について、事業計画上の売上を著しく下回った場合、予想外のコストが生じた場合、現時点で想定していない事態が生じた場合等には、営業者および営業者が業務を委託する事業者の資金繰りが悪化するリスクがあります。

8. 債務超過のリスク

営業者および営業者が業務を委託する事業者の事業の業績等によっては、今後について営業者および営業者が業務を委託する事業者が債務超過の状態に陥ることも想定されます。
一般的に債務超過状態の会社は、次のような不利益を被るリスクがあります。まず、金融機関等は、債務超過状態の会社への融資を実行しない場合が多く、債務超過の会社は、新規の借入ができない可能性があります。また、取引先との取引継続に支障が生じる可能性があります。次に、債務超過は、営業者の破産、民事再生、会社更生又は特別清算の各手続きの開始原因であり、営業者についてこれらの手続きの申立てがあると、本匿名組合契約は直ちに終了します。さらに、債務超過の場合、営業者の資産に対して債権者による仮差押命令が発令される可能性が高くなります。仮差押命令が発令された場合、取引先との取引に支障が生じたり、金融機関からの借入等に関して、期限の利益が喪失する等により、支払不能となることで事業継続に支障をきたしたりする可能性があります。また、仮差押命令が発令されると、本匿名組合契約は直ちに終了します。いずれの場合にも、出資金の全部が返還されないリスクがあります。

9. 資金繰りに関するリスク

本匿名組合事業について、事業計画上の売上を著しく下回った場合、予想外のコストが生じた場合、現時点で想定していない事態が生じた場合等には、営業者の資金繰りが悪化し、事業の継続や分配金の支払に重大な支障が生じるリスクがあります。

10. 資金調達のリスク

営業者は本匿名組合事業の必要資金を本匿名組合契約による出資金でまかなう計画です。したがって、本匿名組合契約での資金調達が滞る場合、事業計画通りに本匿名組合事業を開始することができないリスク及び事業計画の売上規模が縮小するリスクがあります。

11. 出資金の送金及び使用に関するリスク

成立した本匿名組合契約に係る出資金は、募集期間中であっても、営業者が本匿名組合事業を遂行でき、かつ、本匿名組合事業の遂行のために必要であるという判断を営業者が下した場合には、資金使途・費用見込みに示す資金使途内容に従って本匿名組合事業の遂行のため使用されます。このため、本匿名組合契約が契約期間満了前に終了した場合、又は本匿名組合契約が遡って未成立とみなされた場合には、本匿名組合契約の定めに従い、出資金が各匿名組合員の出資口数に応じて返還されますが、既に支出された費用がある場合等、出資金を返還できなくなった場合には、出資金は減額されて返還されるリスクがあります。

12. 事実の調査に関するリスク

取扱者が行う事実の調査は、取扱者独自の水準に基づき実施される調査であり、また、入手資料及び質問に対する営業者からの回答について、すべて真実であることを前提としておりますが、営業者が事実の調査を誤るリスクがあります。また、取扱者による事実の調査に基づくファンド組成の判断は、匿名組合員への分配金額や出資金の返還を保証するものではなく、営業者の事業計画や、営業者が破産等しないことを保証するものではないことに、くれぐれもご留意下さい。

13. 大地震・大津波等の自然災害のリスク

大きな地震や津波、台風等の自然災害等に起因する事象により、事業の継続について悪影響を受けるリスクがあります。

14. 風評被害によるリスク

伝染病、放射能汚染等その他の理由により、風評被害を受けるリスクがあります。

15. 許認可等に関するリスク

本匿名組合事業の実施にあたっては、関連する許認可が必要となる可能性があります。営業者が既に必要な許認可を得ている場合であっても、法令に定める基準に違反した等の理由により、あるいは規制の強化や変更等がなされたことにより、その後当該許認可が取り消され、事業に重大な支障が生じるリスクがあります。

16. 訴訟等に関するリスク

営業者の事業活動において、製造物責任、環境保全、労務問題、取引先等との見解の相違等により訴訟を提起される、又は訴訟を提起する場合があり、その動向によっては、営業者の事業に悪影響を及ぼすリスクがあります。また、訴訟等が行われることにより、営業者の社会的信用等が悪影響を受けるリスクがあります。

営業者情報

営業者

商号 合同会社社会的投資支援機構
所在地 京都府京都市上京区河原町通丸太町上る出水町284番地
事業内容 ソーシャルインパクトボンド事業
設立日 平成30年9月12日
代表者 代表社員 株式会社未来資本製作所
決算日 7月31日

取扱者

本匿名組合契約の出資募集および契約締結の取扱い、本匿名組合契約の管理運営、匿名組合員へのIR業務等を委託する会社の概要は、次のとおりです。(2019年07月05日現在)

商号 プラスソーシャルインベストメント株式会社
登録 第二種金融商品取引業者 近畿財務局長(金商)第396号
本店所在地 京都市上京区河原町通丸太町上る出水町284
電話番号 0752577814
事業内容 第二種金融商品取引業
資本金 8,000万円
設立日 2016年04月14日
役員 代表取締役会長 深尾 昌峰
代表取締役社長 野池 雅人
取締役 吉澤 保幸
監査役 石原 俊彦
監査役 可児 卓馬
事業所所在地 京都市上京区河原町通丸太町上る出水町284
決算日 6月30日
加入協会 一般社団法人第二種金融商品取引業協会